凍傷で切断はなぜ?治療と予防法【画像・動画】

冬山登山の注意事項。それは・・

凍傷にならないようにすること!

Σ(゚Д゚;) アッ!

tousyou

ぜひ、冬山登山をするまえに、指などに症状がでる凍傷の原因凍傷の予防法、そして凍傷になってしまった場合の処置の仕方を学んでおいてください。

凍傷は、エベレスト登山や南極探検隊だけがなるものではありません。氷点下でならば日常生活中でも起こる可能性があり条件に合致すれば、日本の冬山でも十分なりえるものです。

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~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
「凍傷」と「しもやけ」の違いは?
凍傷になりやすい人・凍傷の対処法や予防法は?
冬山登山での凍傷の予防法・対処法
指の再生 新技術 (動画あり)
要点まとめ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 

「凍傷」と「しもやけ」の違いは?

凍傷は低温により皮膚や皮下組織にダメージが生じる寒冷障害ですが、実は「しもやけ」は、凍傷の初期段階の症状なんです!

凍傷は組織の受けた損傷によって第一度から四度まで段階別区分があります。
段階別区分がある点は「火傷(やけど)」と同じです。

【第一度】皮膚に紅斑を生じた状態(しもやけ状態)。
【第二度】水疱形成。
【第三度】皮膚全層の壊死(えし)で潰瘍の形成。
【第四度】深層部の組織が壊死を起こした状態。

 
凍傷の程度は、気温の低さと低温にさらされている時間によって決まります。

凍傷の程度によっても応急処置が変わってきますが

【第一度】の場合はぬるま湯に患部をつけたり衣服で温めるのが良いです。また、患部は極力こすらないようにして刺激を与えないようにしましょう。

【第二度】以上の凍傷は早急に病院へ行くことが望ましいとされています。第二度であっても処置を間違えると治りが遅かったり、傷の跡が残ってしまう場合もあります。

【第三度】以上の場合はすぐに病院へ行かないと命に関わります。皮膚は一旦壊死してしまうとその部分は微生物などの細菌が繁殖してしまうため衛生面で非常に悪くなります。そのため、腐った部分を早急に切断して切り離さないと全身に微生物が巡ってしまう敗血症という重大な病気を引き起こしてしまいます。
 
「しもやけ」段階の人に大人気↓

 

凍傷になった指を切断する理由はなぜ?

凍傷などで皮膚が壊死した場合に、切断せずに放置しているとその部分から病原体が血液中に入り込む危険があります。

また、敗血症は、症状が悪化すると死に至る危険性が非常に高い病気です。これは肺炎や腎盂腎炎などの感染症を引き起こしている患部から、血液中に病原体が入り込むことで全身の炎症を引き起こすこものであり、凍傷の段階が進んでいる状態で切断がおくれることでも発症することも多い病気です。
 
下の動画は、凍傷にかかったものの、何とか切断を免れた女性の映像です。はじめは、血行が悪くなり「紫色」に指が変色しますが、この段階で低温状態から解放されると、指の炎症部分に水泡が発生し大きく腫れあがります・・


凍傷になりやすい人・凍傷の対処法や予防法は?

凍傷はマイナス4℃以下になると発生する症状と言われています。しかし、その日の湿度風の強さにも影響されるとされています。

気付きにくいものとしては、貴金属のアクセサリーは低温になりやすいため、そこの部分は体温が下がります。ピアスや指輪などは外しましょう。

次の方は、凍傷になる可能性が高くなります。

・糖尿病や動脈硬化がある人
・血管れん縮がある人
・血行障害がある人
・きつすぎる靴や手袋によって血行が悪い状態にある人
・高齢者
・糖尿病患者
・喫煙者
・冬登山に合わない服装

 

糖尿病患者は凍傷になりやすい

凍傷は血行不良が原因で生じます。そのためため、糖尿病を患っている人は一般の人に比べ凍傷になりやすいと言われています。万が一手や足の指を切断することになってしまわないように、糖尿病の人は極寒の状況に身を置かないように人一倍注意しましょう。

凍傷経験者は再発しやすくなる

一度、凍傷にかかると再び寒冷の環境に患部を晒した場合に凍傷になりやすくなります。
 

凍傷は手の指の他、もちろん足の指にも起こることもあり、鼻や耳たぶもなりやすい部分です。身体の末端部という意味では男性器も同条件ですが、ペニスの場合、被服や大腿の間に位置する為、通常の登山では凍傷被害の対象にはなりません・・
 

米国皮膚科学会(AAD)が発表した凍傷を防ぐための7つのヒント

【凍傷を防ぐための7つのヒント】
 1. 軽くてゆったりした服を重ね着する。吸水性の合成繊維でできた服を内側に、断熱性のあるウール製品を重ね、その上に風や水を通さないパーカなどを着る
 2. 足や爪先を保護するために、吸水性のある靴下にウールの靴下を重ねてはく。ブーツは適切な断熱性があり、水を通さず足首まで覆うものを。体を締め付ける衣料は凍傷リスクを高めるので、きついと感じる部位がないようにする
 3. 頭や耳を保護するには、毛糸や毛織物でできた大きめの帽子をかぶる。顔はスカーフやマスクで覆う
 4. 断熱性のある手袋やミトンで手を保護する
 5. 濡れた衣服は凍傷リスクを高めるので、ブーツや服の内側に雪が入り込まないように注意。戸外で汗をかいたら、運動量を減らすかジャケットのジッパーを少し下げる
 6. 脱水は凍傷リスクを高めるので、外出前や運動時は水分補給を心がけ、飲酒は避ける
 7. 凍傷の初期症状(発赤や灼熱感、ずきずきするまたは刺すような痛みと、それに続く感覚麻痺)を知り、症状が出たら直ちに屋内に入る

 

冬山登山での凍傷の予防法・対処法

凍傷の予防には、登山の前の準備を怠らない事。これに尽きます。

雪が入り込んだ手袋や靴下などは冷えを加速させますので、交換できるよう「予備を複数持参」することも必要です。防寒グッズも当然ながら準備を怠らないようにしましょう。また、サイズの合った靴を履くなど、当たり前のことをしっかり準備することが凍傷予防には大切です。


 

温かい飲み物をこまめにとるようにすること

また、空腹は体温を下げます。肉は体温を保つために役立ちますので、サラミなど保存がきき持ち運びやすい食べ物も用意しておきましょう。

普段の食生活の中でも、冬山登山の趣味のあるかたは、普段から冷え対策に効果のあるビタミンE(血行促進効果)の多く含まれた食品などをとり、冷えにくい体質にしておくことも必要です。

危険を感じた場合や、体調不良の場合はすぐに下山する

無理は禁物なのはいうまでもありません。自分だけではなく、周囲の人への迷惑や仕事先のことも思い出しましょう。
 

現場での応急処置の方法としては・・

1)風の当たらない、温かい場所へと移動する。
2)靴下や手袋が濡れている場合は交換する。
3)アクセサリーなどの貴金属を外す。
4)患部が汚れている場合はぬるま湯でやさしく洗って清潔にする。
5)患部を誰かの脇や股に挟ませてもらい、人肌で温める。
6)顔や耳は、お湯を浸した温かいタオルなど患部に当てて温める。
7)40度弱のお湯を張ったボウルや茶わんなどに、患部を浸して温める※
8)温まったら乾燥させて、ガーゼや包帯をゆるめに当てる。
9)あればアスピリンを飲む。痛み止めと血流を良くする効果がある。
10)温かい物を口にして体を温め、血行を良くする。
11)できれば患部を心臓と同じ高さに上げて固定する。
12)水泡(水ぶくれ)ができても決してつぶさない。
13)水泡がつぶれた場合は、丁寧に消毒する。消毒後は軟膏などは使わない。

 
※7)お湯の温度はお風呂より少しぬるい程度。冷めてきたらお湯を足して40度弱をキープすることが重要。患部が他の部位と同じ温度になるか、肌に血色が戻るまで続ける(20~60分程度)。直火やストーブでは患部をまんべんなく温めることは難しくお湯が最良。

凍傷が軽度の場合の病院での対処と薬

病院では軽度の凍傷の場合、以下のような薬で対処されるようです。

・プロスタグランジン製剤…血行を良くして神経の回復を促す
・抗血小板剤…血液をサラサラにする
・抗生物質…細菌を殺して患部の細菌感染を防ぐ
・ステロイド…炎症を取り除く

 
また、高圧酸素療法という治療では、細胞の壊死を防ぐことが期待できます。高圧酸素療法は専用の医療器具が必要ですので、完備する最寄りの病院を「(地域名)高圧酸素療法 凍傷」などのキーワードで検索しましょう。

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驚愕の新技術!細胞外マトリックス(魔法の粉)による指の再生

いわゆる「魔法の粉」と呼ばれる再生医療の力で、切断された指が再生できるケースがあるようです。しかし、確立された技術ではなく、うまくいかないケースもあるようです。

今後の医療技術の進歩に期待したいところです。

2012年にエベレスト登山に失敗した日本人登山家も、この技術をこころみたものの、結局右手の親指一本を残し、ほかのすべての指を切断することになってしまいました。


準備に勝る対策なし。危険かなと感じたら無理は禁物

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