犬の熱中症の症状は?対策と応急処置法
いまや家族同然のペットも日本の夏を乗り切るのは大変です。
しかも、ペットの「熱中症」は・・
短時間に体温の上昇や極度の脱水が起こるため、
早急に対処しなければ、命に関わる恐ろしい病気です。
犬の平熱は、約38.5~39度
平熱が人間より高いのに 動物には(肉球)以外には「汗腺」がありません。
汗をかけない犬は体温調節が苦手
・・なのです!
そのため・・
肉級から汗をかいて体温を下げる。
開口呼吸”(ハァハァと息をする)。
という方法でしか体温を下げられません。
犬の熱中症の症状は?「熱中症」対策は5月から
気温と熱中症についての調査では最高気温:25度を超える夏日に熱中症が発症することがわかりました。
春から初夏にかけては「ペットの体が暑さに慣れていない」ため熱中症にかかりやすいのです。
犬の熱中症の症状を、3段階に分けて説明
【初期の症状・レベル1】→緊急処置後、動物病院へ!
・暑さで元気がなくなる。
・目が充血したり、耳の内側や口の粘膜の赤味が強くなる。
・呼吸が浅く速い→犬は呼吸で体温調節をします。
これが頻繁なのはよほど「暑い」証拠です。
放っておくと、”呼吸器系の感染症”に罹りやすくなります。
【中期の症状・レベル2】→動物病院直行レベル
・ぐったりして、口が大きく開いて、舌が横から出ている。
・時にはヨダレを垂らしたり、泡を吹いて、反応が鈍い。
・呼吸は浅くなり体温(直腸温)は40度を超える。
・脈拍が速くなったり、時に失禁、下痢や嘔吐をしたりする。
・ぐったりしている、けいれんを起こしている。
【末期の症状・レベル3】→かなり危険なレベル・動物病院緊急直行
脱水症状がひどくなるため血液が濃くなってきて、血液の循環が悪くなり酸欠状態になります。
初期症状とは反対に舌は真っ青(チアノーゼ)なり、意識がもうろうとしてくるなどの「ショック状態」を引き起こし、死に至ることも多々あります。
犬の場合の特徴として覚えておくべきは・・
具合が悪いのをギリギリまで我慢するので気がつきにくい。
症状は必ずしも順番どおりに進行するわけではない。
嘔吐や下痢、けいれんは意識を失ってから、又は意識を失うと同時に…そのような症状をまったく起こさないで短時間で死に至ってしまうことも…
犬が熱中症になりやすい状況とは?
高温で換気不十分なケージなどに閉じ込めた状態
気温や湿度が高い場所で運動をしたとき
照り返しの強い舗装道路上での散歩時
エアコンのない「部屋」や「車」などに長時間いる状況
興奮による体温上昇時
興奮して朝から吠えっぱなしの犬の声が聞こえなくなり、様子を見に行った時には気を失って倒れていたという事例もあるようです。
夏の過ごし方と熱中症対策グッズ
・室内では、部屋の風通しをよくします。
ヒトが快適と思える温度よりやや低めに設定
(冷気は下にたまるので温度設定に留意)
・除湿機能を活用する方法、カーテンやすだれなどで遮光、クーラーマットの使用
・新鮮な水をいつでも飲みたいだけ飲めるようにしましょう。
高温で換気不十分なケージなどに閉じ込めない
気温の高いときや直射日光が当たる場所・車内で留守番をさせない。
外で飼っている犬は、日陰に避難出来るよう「リードを長めに」する。
外で飼っている犬や車での長時間移動には、「クーラーバックに保冷剤や氷」などを常備。
夏の散歩は「早朝」「夕方の遅い時間」「夜」にする
散歩前に「アスファルトの地面を触って」暑くないか?確認
夏の日中のアスファルト温度は50度~です。足裏のパッド(肉球)が火傷します。
夏は、散歩の時間を、”少し短め”にして下さい。
散歩に行く前に水分補給させる
日中に散歩に行く必要がある場合
→「土や草の上を歩かせる」「時間も短め」「興奮させない」「水を飲ませる」
「ブラッシング」 をしっかりする!
きちんとブラッシングしないと、団子状に抜け毛が張り付いて熱中症を併発しやすくなります。
ブラッシングは、こまめにした方が、良い。
ただし、刈り込み過ぎると 「じかの太陽光線が暑い状態」 になります。
熱中症になった時の緊急処置
熱中症の病状の進行は、思いのほか早いので飼い主さんがノンビリ行動していた為に手遅れになったケースが数多く報告されています。
すぐに冷やして体温を下げる。
意識があり、水が飲めるようなら新鮮な水分を十分に与えましょう。
体に冷たい水を直接かけたり、濡らしたタオルで体を覆う。
水浴も効果的です。
ただし氷水など冷たすぎる水は体表の血管を収縮させ、
結果として熱放散を妨げてしまい逆効果。
直接水をかけられるのを嫌がるなら体毛を濡らさないように、
体をビニールで覆って水を掛けてやる。
濡れた体は、扇風機などの気化熱を利用し、体温を下げていく。
ドライヤーなどで一気に乾かすべきではない。
※注意〉心臓が弱い、高年齢、水を怖がるなどの特徴を持つペットに対しては ショック死の可能性があるので、いきなり水を掛けたり、水にドボンと浸けてはいけません。
脇の下や足の付け根などを冷やす
タオルを巻いた保冷剤や氷まくらを首の頚動脈の部分や内股、腋下などの
「被毛や皮膚が薄く体温が下がりやすい部分」にあてて冷やす。
少しずつ、ゆっくりと、冷水を飲ませます。
普通のお水よりスポーツドリンクなどナトリウムが入っているもの。
大量に飲ませたり、無理やり飲ませたりしないこと。
発見した時にはすでに意識不明の状態だったら?!
意識がない状況では水分を飲ませることができません。すぐ動物病院で点滴で水分を補給することが必要です。その移動の間も「窓を開けて風通しをよく」「濡れタオルや保冷剤で体を冷やしながら」運びましょう。
落ち着いて「とにかく体を冷やす」ことに専念。
自宅で応急処置とした後はすぐに動物病院で診てもらう。
動物病院では、上記の処置と併せ、どうぶつの状態によって脱水を補うための点滴治療やショック症状や脳炎を防ぐための
ステロイド剤の投与などを行います。
冷たく濡らしたタオルを、ペットのわきや首筋、体全体を包むなどをして冷たい水をたくさん飲ませながら行きましょう。また、事前に「動物病院連絡先」は家族全員で共有しておきましょう。
熱中症に気をつけたい犬とはどんな犬?
短頭種
シーズー、パグ、フレンチ・ブルドッグ、ボストンテリアなど、気道も短く複雑で呼吸がしにくいため、熱中症になりやすい傾向
被毛が密集している寒い国の犬種
シベリアン・ハスキー、サモエド、グレート・ピレニーズ、オールド・イングリッシュ・シープドッグなど
寒い気候の国原産の犬種は毛皮も厚く暑さに弱い体です。抜け毛処理してあげることが予防のひとつです。
満気味の犬
子犬や中高年~老犬
心臓・気管などに病気、循環機能や呼吸機能が低下している犬
日光を吸収しやす「黒」や「暗い色の体毛」の犬
熱中症になる前に、家族全員で予防の知識と対処の方法を学んでおく