【演繹法・帰納法】VS【演繹的説明・帰納的説明】違い
言葉の理解において、私を苦しめてきたもの・・
「演繹法」と「帰納法」の違いは比較的容易に分かった。しかし「結論から先に言え」を説明をする場合、解説する人によって、それを「演繹的説明」とする人と「帰納的説明」とする両者がいて、とても混乱したのだ。
つまり本を書くレベルの人の中にも、真逆の理解をしている人が多い用語だったわけです。
今回は、これらの用語を用例をまじえて解説いたします。
「演繹法」「帰納法」の違いをコンビニの買い物を例に解説
「演繹法」や「帰納法」は、推論の方法・思考の順序をさすものと理解すればいい。
辞書的に説明すれば
「演繹法」は、一般的・普遍的な前提から、より個別的・特殊的な結論を得る論理的推論。「演繹的推論」ともよばれ、演繹法の中で、代表的なものに「三段論法」がある。
演繹法では、前提となる事柄がすべて正しいと認められれば、そこから必ず正しい結論を導き出すことができる。(演繹法→ゆえに)
「帰納法」は、類似の事例をもとにして、一般的法則や原理を導き出す推論法のこと。「帰納的推論」。言いかえれば、個々の事象を観察する中から「法則を発見するプロセス」といえる。(帰納法→だとするとおそらく)
コンビニの買い物を例にすれば・・
(演繹法)
「雨の日にポイントが3倍になるコンビニ」あり、その店には自分の好きな「唐揚げ」がある。明日の天気が大雨になる予想が出た場合、曇り空の今日買いに行くより「明日にした方が得をする」とする推論は「演繹法」によることになります。
(帰納法)
あのコンビニで、これまで食べた「おにぎり」「サンドイッチ」「お弁当」「肉まん」のすべてが自分好みで美味しかったという経験がある場合「このコンビニの食品は美味しい」と定義づける推論は「帰納法」。その後発売された「新商品オリジナル唐揚げ」に手を伸ばすなら、それは「帰納的推論」による行動。
「演繹的説明」と「帰納的説明」・・「説明」においては・・
「結論から先に言う」説明方法は、どちらに該当するかといえば「帰納的説明(帰納的話し方)」になります。
「結論+説明」は「帰納法的説明」
・・と覚えておきましょう。
「演繹的説明(演繹的話し方)」はデータやすでに知られている社会現象などをもとに「ゆえに○○となります」のように「ある結論にまで聞き手を導く」方法。よって結論を話すのが先延ばしになるため「何が言いたいのか相手をイライラさせる欠点」があります。
「あの人の話は演繹的だよね~」とう場合、別の表現にすれば「あの人の話は結論を先延ばしにしてウダウダ長くてやんなっちゃう!」という意味になります。
レポートの提出では「結論を先に書きそれを説明していく(帰納的説明)」ようにするのが基本。その説明が何に向かって書かれているのかをはじめに示す伝え方といえ、読み手を疲れさせません。
「演繹的に」や「帰納的に」という用語を使う場合、それらの「説明」をしなければなりません。つまり、毎度毎度、説明つきで使わなければならない用語は、用語としての意味を持たないといってよいものです。つまり、コミュニケーションにおける正しい伝達のできない用語は存在を抹殺すべきと考えます。
受け手が混同する確率が高い用語はそもそも使わない
推論を導くための思考法としての「演繹法」「帰納法」と、物事を他人に説明する場合の「演繹的説明(演繹的話し方)」「帰納的説明(帰納的話し方)」は、分けて理解したほうがよい。