天寿を全うするとは何歳から?使い方と大往生との違い!
先日、数え76歳で義父がなくなりました。
晩年は、ほとんど寝たきりに近い状態で、食べるものもほとんど摂らない生活が続いておりました。
死の前日まで意識はしっかりしており、普段通り眠りにつくとその朝亡くなっていました。
苦痛を伴う病死という分けではなく死に顔も穏やかなものでした。
これといって長命でもない76歳の死・・・
苦痛を伴う病死ではなく事故や災害によるものでもない。
父にとっては「天寿をまっとうした」と言ってあげていいものだと思いました。
天寿は何歳?大往生は?
年齢的に「大往生」という言葉は相応しくないかもしれません。
確かに「天寿を全う」や「大往生」は死の姿として、目指すべきものだと思います。
そこで不謹慎ながら、この機会に言葉の違いを調べてみました。
国語辞典によれば・・・
・・・とあります。
ここでいう
「天年」は「天寿と同義」であり
「定命」は「平均寿命」です。
つまり、天寿とは、「天から与えられた命の長さ」 や 「平均寿命」となります。
注意すべきは「天から与えられた命の長さ」または「平均寿命」の
どちらか一方だけでも「天寿」と使える点です。
そのため、必ずしも平均寿命を超えている必要はありません。
ただし「天寿を全うする」と言えるのは
・・・という条件がつくようです。
事故や災難でなくなられた場合は・・・
「非業の死をとげ」とか
「横難横死(おうなんおうし)」
・・と言うのだそうです。
「横」とは、「枉」(おう、ま・げる)を意味し本来的でない、横道に逸れると同じ意味です。
したがって
「横難」とは、思いがけない・予期しない、まともでない、不慮の災難。「横死」とは、思いがけない・予期しない、まともでない、不慮の死を意味するわけです。
また、若くして事故や病気で亡くなられた方には・・・
「志半ばで・・」という言葉を添えることも多いようです。
大往生とは・・・
これに対して「大往生」は辞書によれば
・また、りっぱな死に方であること
・・・言う意味です。
よって、本来の意味からすれば、
「大往生」も生きた長さとは関係ないことになります。
「天寿を全う」も「大往生」も一般的には長寿で亡くなられた方に用いられる傾向にありますが、本来的には生きた長さとは関係ないようです。
よって、父の場合、ほぼ男性の平均寿命でもあり、苦痛を伴う死に方でもない「やすらかな旅立ち」であったことからも、予想したように国語的にも
「天寿を全うした」と言ってあげてよいようです。
・・・本当にご苦労様でした。
短い間ではございましたが感謝いたしております・・・
科学者のいう天寿とは?
ちなみにではございますが・・・
科学者的な見解による「天寿」についての意見を述べた動画がYouTubeにアップされておりましたのでご紹介いたします。
解説しているのは、フジテレビ「ホンマでっかTV」でも大活躍の科学者 武田邦彦教授です。
一般論的「寿命」の視点ではなく「生物学的解説」・・・といった感があります。
まずは「非業の死」でないかを考える